海外生活 Life in the Netherlands: 【海外育児】オランダ教育の問題点: 教員不足から起こっている我が家の現状

2023年6月16日金曜日

【海外育児】オランダ教育の問題点: 教員不足から起こっている我が家の現状

今回は、オランダ教育の問題点のひとつである教員不足について。教員不足から起こっている影響について、我が家や周りの親達の例も交え紹介していきます。




オランダの教員不足問題

オランダではここ何年も人材不足、住宅不足、教員不足など「不足問題」が続いています。息子が学校に通うになってから、オランダの教員不足問題を事あることに感じています。オランダでは、特に初等教育の教員や、中高で理系科目を教える教員が不足しています。実際に、オランダの教員不足はどの程度なのか、オランダの教育データを見ると2022年10月にオランダの全学校に職員不足の規模を示すアンケートを行ったところ、その結果全国で9,700FTEの教師が不足していることがわかったそうです。これは、教員雇用全体の9.5%にあたります。

教員不足の影響は、オランダ全体の学校で起きている問題ですが、担当学科や地域ごとによる違いは大きいです。特に主要都市と言われるアルメレ、アムステルダム、デン・ハーグ、ロッテルダム、ユトレヒトでは教師不足問題が深刻だと言われています。


教員不足に対してのアクション

オランダでは、この教員不足に対して現在取り組んでいることは教師の定着率を高める、教員養成コースの増加と支援、サイドエントリーの促進、報酬とキャリアの見直し、地域別アプローチ等の取り組みをしています。また、Stille Reserveを可能にする取り組みもしていて教員資格は持っているが、教育の分野で働いていない(またはもう働いていない)人たちに対してアプローチをかける行動もしています。

また教員としての労働時間を増やすことは、教員不足を軽減するための有望な解決策と考えられているため、いくつかの学校では学校の勤務時間を増やす取り組みを行っている所もあります。ただ、それがすぐに結果が出るかというとそうでもないし、オランダではパートタイム教員が多いので、フルタイムで教員として働くことを希望する人は少ないため、正直あまり大きな解決策にはなっていないと感じます。


息子の学校の例:突然の休校

以前あったのは、息子のクラスの担任の先生が風邪で数日間休んだ際に、代わりに担当してくれる代価教員が足りず、他の先生たちがスケジュールを調整し対応してくれたため、ずっと休みにはなりませんでしたが、それでも教員不足という理由で2日間ほど学校がお休みになったことがありました。

こういう場合、学校側から前日にアプリを通して連絡が入るのですが、それでも共働きの私達はどっちが子供を見るかとか、お互いこの日は在宅勤務にして、会議があるからこの時間までは私が見るから、その後は旦那が見る等、仕事の調整等でバタバタ・・・。こういう時に、祖父母が近くに住んでいるママ友達は「Omaにお願いしたわ」と聞くと、前日・当日の気力体力のバタバタがないのか・・・いいな~と感じてしまうこともあります。


息子の学校の例:クラス合併

息子の通う小学校は、以前はGroep1とGroep2は分けてクラスを運営していましたが、コロナ後の教員不足で、今年からGroep1とGroep2を1クラスにまとめて運営しています。そのため、担当教員数はおさえられたけれど、1クラスに子供の数が増えたため、教師は子供全体を1人1人しっかりと見られているのか、子供への対応への心配や、それによる子供への影響、教育の質の低下等で親の間でも心配の声があがっています。


息子の学校の例:小学校入学日の変更

オランダでは、4歳の誕生日の翌日から小学校に通い始めることができます。でも、息子の小学校のGroep1(4歳)とGroep2(5歳)のクラスは、子供数が現在限界数まで多いため、夏休み前の6~7月が誕生日の子供を持つ親には、夏休み後の新学期である9月からの入学変更も可能ですと連絡が来ていました。これは、あくまでも可能という意味なので、もちろん6月の誕生日翌日から小学校に入学させてもいいし、9月の新学期まで待ち入学させることも可能なので選択してくださいという意味です。

夏休み前までの子供数が多いクラスにいれるか、夏休み後の人数が落ち着いたクラスに入学させるかは、その子供の性格と親が考えて決めることができます。

もし6月が誕生日で、9月の新学期から入学とする場合は、夏休みまでの1ヵ月程度子供は学校がないことになります。そのため、例えばフルタイムで働いている友人カップルは、6月と7月のみ週に2回ほどkinderopvangに預け、週2を祖父母にたより、週1は親が見るなどして対応しています。

これは、オランダは保育料がとても高いことも影響していて、子供が小さい間は親は週3日働き、週2程度祖父母の協力をかり、週1日親が見る等をし預ける日数を減らしている親が多いです。ただ、これは保育園の空きの枠があればの話しなので、先ほどの教員不足から分かるように対応できる子供数に限度があるので、曜日によっては受け入れ不可の場合もあります。その為事前にあいている曜日と時間を確認し、会社側と仕事の調整が必要になります。

我が家も同じ問題を抱えていて、息子の小学校入学を夏休み前にいれるか、9月以降の新学期後にいれるか、息子は人数が多いクラスになじめるか、それにより仕事の調整はできるか等色々話し合い調べたり考えたりしていました。私達のように、祖父母が近くに住んでおらずサポートを得られない家族は、子供数が多いクラスに預け今まで通りの勤務数で仕事をするか、夏休みが始まるまでの1ヶ月間は仕事の日数を減らし週3勤務、週2kinderopvangに預けるなどになるので悩みました。結局、タイミングよく会社から去年から話があったアメリカ行きの話が進み、6月からアメリカ行きが決まったので入学時期問題は解決したけど、他の親に話を聞いてると大変そうです。

オランダ教育は素晴らしいという人もいますが、確かに良いと思う点もあれば、どの国もそうですが問題も多くあります。最近は、オランダ教育を目的にオランダ移住をされる方も増えていますが、昔のオランダ教育に目を向けるだけでなく、時代とともに変化している今のオランダ教育の課題や問題をしっかりと理解すること、また住む予定の街の学校の状況等を確認した上で、決められる方がいいと思います。


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