海外生活 Life in the Netherlands: 【オランダ語】オランダのinburgeringsexamen(市民化テスト)試験と勉強方法について

2017年6月15日木曜日

【オランダ語】オランダのinburgeringsexamen(市民化テスト)試験と勉強方法について

オランダでは、2007年度からオランダで生活する外国人は市民化が義務付けされました。その市民化するための試験の1つが、inburgeringsexamen(市民化テスト)です。オランダに暮らす日本人の方は、このinburgeringsexamenかNT2のどちらかを受験されています。また、この試験はオランダの国籍を取得したい方には、必修です。



その理由として、オランダには移民の方も多いですが、オランダ語を話せない方、そのため仕事を得られない方もいるため、オランダ政府がオランダの生活に対応できるように義務づけしたそうです。簡単にいうなら、「オランダ語とオランダの文化や歴史を理解するための試験」です。

そんな私も、この市民化試験を受ける対象でした。オランダに来てから勉強を始めたオランダ語ですが、この度やっとinburgeringsexamenにすべて合格しました!すごく嬉しい!

私は、この試験を受けるまではどんな試験なのか、どこから申し込めばいいのか、どう勉強すればいいのか分からないことだらけでした。そのため、これから試験を受けようと考えている方の参考になればと思い、試験概要や、実際に試験を受けてみた感想、勉強方法についてシェアをします。


試験について

inburgeringsexamenの試験は、5科目を一気に受けることも可能ですし、個別に受けることもできます。オランダ語に自信があって、勉強期間も長いのであれば一気に受けてしまうのもいいと思います。私の場合は、オランダ語ゼロからの状態だったこともあり、勉強しながら1~2か月に1科目づつ試験を受けていきました。

ちなみに、このinburgeringsexamen(市民化テスト)は、滞在許可を取得し、市役所に市民登録を行った後に、市役所からこの市民テストについての案内(封書)が家に届きました。

そして、この手紙が届いてから3年以内に、inburgeringsexamen(市民化テスト)に合格しなければなりません。合格できなかったら、罰金だそうです。もし、自分がいつまでに試験を受けないといけないのかを知りたい場合や、市役所から手紙が届いてないという方は、下記試験を申し込んだ自身のDUOのサイトからも確認できるので確認して見て下さいね。

合格まで3年・・・長いようで、あっという間に感じる時間ですよね。私は、オランダに移住しオランダ語の勉強を始めた時に、1年以内に全科目合格するという目標をたてました。その理由は、3年と思っているとまだ来年もあるなぁ・・・まだ、時間があるしまだいいかなぁ・・・と思ってしまい、時間だけがずるずると過ぎていく感じがしたのと、先延ばしにするぐらいならさっさと終わらせてしまいたい!と思ったからです。
その結果、オランダ語ゼロから勉強し始めて、10か月で全科目に合格しました!


試験内容について

試験は下記5つ+オリエンテーションです。
※試験内容は2017年6月の内容です。

1)Schrijven(ライティング)
筆記試験は、35分間で問題を解きます。問題数は、全部で8問です。
内容は、メールや手紙、書類などを書く問題や、接続詞・前置詞などを考え文書を作成する問題などが出ました。そのため、接続詞の語彙や、手紙の書き方、メールの書き方、苦情やキャンセルの文章、病院への予約の文書などを書ける練習をしておくことをおすすめします。


ちなみに私が、初めて受けた試験もSchrijven(筆記試験)です。まずはじめに、どの試験から受けようか迷っていた時に、試験を受けた人にどの試験から受ければいいかアドバイスをもらいました。その時に、このSchrijvenの試験が一番簡単という声が多かったので、まずは挑戦だと思いオランダ語を勉強し始めて2か月目の時に、この試験を受けました。


2)Lezen(リーディング)
読み取りの試験は、65分で問題を解きます。問題数は、全部で25問であり、設問に対する回答を3~4つの選択肢から選びます。

問題は、住民のお知らせ、お店の営業時間など日常生活で知っておくと便利なことが問題に出るので、勉強が楽しかったです。その理由として、勉強した単語や、表現が生活の中で使えるようになったり、テレビを見ていても「あ、この意味分かる!」ということが何度かあり、全くチンプンカンだったオランダ語という言葉が少し近く感じるようになれ、勉強と成長が結びついて感じられたからです。

試験後に、自身の試験のスコアも通知されるのですが、私は5科目の試験の中でリーディングが一番いいスコアでした。

3)Kennis Nederlandse Maatschappij(オランダ社会に関する知識)
オランダの社会や文化に関する試験は、45分で問題を解きます。近所付き合いについてや、学校のシステムについて、家を購入することについてや、オランダの投票システムについて、選挙について、市民権について、医療についてなど基本的な問題が出ます。下記のような質問があり、それに対して回答を3~4つの選択肢から選ぶ問題です。

<参考例>
「あなたは交通事故を目撃しました。そのため、警察にあなたの身分証明書の提示をするように言われました。あなたは下記のうち、どれを提示しますか。」

<参考例>
「あなたの身分証明の期限が切れています。あなたはどうしますか。下記のいずれかから選びなさい。」

私は、テストの中でこの試験も勉強が楽しかったと感じたひとつです。勉強した単語がニュースを見ていてもよく出てきたり、街を歩いていても看板やポスターなどを見ると意味が理解できたり、先ほどのLezen(リーディング)と同様に勉強した分、生活や身の回りで分かることが増えていったので楽しいと感じました。

ただ、注意したほうがいいのはこのDUOの練習問題では、問題数は39問ですが、実際の試験では43問ありました。私は、てっきり39問だと思い時間配分を考えていたので、当日はちょっと焦りました。

4)Luisteren(リスニング)
聞き取りの試験は、45分で問題を解きます。問題数は、全部で25問です。
銀行のカードを失くして再発行の手続きに銀行へ行く問題や、留守番電話の内容を聞き取る問題や、職場での説明の問題や、学校での親同士の話に関する問題や、薬局で薬を購入する問題や、オランダの休日に関する問題などが出ます。



こちらは、話すスピードもゆっくりだったこともあり、聞き取りやすかった印象があります。試験を受けるまでに、練習問題を聞いて、試験の傾向を知っておけば難しくはないと思います。

5)Spreken(スピーキング)
話す試験は、35分で問題に答えていきます。問題数は、全部で24問です。問題は前半と後半の2つに分かれています。

前半は、ビデオで流れてくる質問に対して答えていきます。答える際には、ボタンを押して自分の音声を録音していく形ですが、登録後に確認したい場合は別のボタンを押せば確認することもできます。私は、友人が回答を短く答え過ぎて落ちたというのを聞いていたので、長すぎず短すぎないように3文程度で答えることを意識しました。

後半は、ビデオを見てその質問に対して、適切な答えを3~4つの選択肢から選ぶ問題です。この後半の問題は、リスニング試験に合格していれば難しいと感じることはないと思います。私の時は、日常生活でよく聞く表現が出ました。

スピーキング力を鍛える勉強方法は、次回紹介していきます。

6)Oriëntatie Nederlandse Arbeidsmarkt(オリエンテーション)
オリエンテーションの内容については、長くなったので別で紹介します。


費用について

試験料の合計は、全科目で250ユーロですが、それに加えてオリエンテーションの料金が必要になります。

もし、1科目づつ試験を受けるのではれば、各試験の料金は下記のとおりです。

1)Schrijven(ライティング)・・・50€
2)Lezen(リーディング)・・・50€
3)Kennis Nederlandse Maatschappij(オランダ社会に関する知識)・・・40€
4)Luisteren(リスニング)・・・50€
5)Spreken(スピーキング)・・・60€
6)Oriëntatie Nederlandse Arbeidsmarkt(オリエンテーション)・・・100€



申し込みについて

試験の申し込み手順は、下記のとおりです。

①DUOのホームページを開く
https://digid.nl/inloggen
②DigiD(自分のデジタル番号)でログイン
移民化試験の申し込みをするページを開く
④試験会場と試験日を選ぶ
⑤試験料を指定の銀行を選択し支払う
⑥申し込みが完了

試験申し込み後に、支払いをした明細をPDFで保存できるので、念のため申し込み完了(⑥)の後に保存をしておくことをおすすめします。


試験会場は、アムステルダム、アイントホーフェン、レイスウェイク、ロッテルダム、ズヴォレの5都市から選択して受けることができます。
また、試験日が近づいた頃に、試験についての注意書きと、受験票が郵送で送られてきます。今までの経験だと、だいたい1週間~2週間前に郵送で届いていました。当日は、その受験票とIDを持って30分前に試験会場に行きます。

勉強方法について

試験に向けての勉強方法は、個人により異なると思いますが、私が実践した勉強法を共有したいと思います。

私は、オランダに来てビザや運転免許、保険等の様々な手続きが落ち着いた、3か月目ぐらいから、オランダ語を勉強するために、週に1回(2時間)のみ学校に通いはじめました。

また、途中から仕事も始めたこともあり、毎日学校に通うことも、集中コースを受けることもできませんでした。そのため、私がしていたのは「宿題+試験の練習問題をひたすら解く」の2つでした。

私が通っていた学校の担任は、週に1回の授業ですが出してくる宿題の量がすごく多く、この宿題をこなすだけでもかなり大変でした。テキストの問題を10ページと、プレゼンテーションの準備が毎週の宿題でした。プレゼンテーションでは、「子供時代について」「自分の国について」「お気に入りの音楽について」「趣味について」「最近気になったニュースについて」「人生の大きな挑戦について」など毎週異なるテーマが与えられ、翌週指定されたテーマについて、オランダ語でみんなの前でプレゼンをするというのが決まりでした。

そのため、宿題の量もですが、オランダ語でプレゼンの準備をするのに時間が取られていました。そのため、仕事の後に毎日1~2時間は、試験に向けての練習問題を解く時間を必ず作りました。分からない単語があれば調べ、覚えながら練習問題を2回繰り返すことをひたすらしました。

試験の練習問題については、下記、「inburgeringsexamen DUO」のサイトに、PDFで各試験ごとの練習問題がアップされています。これから、はじめて試験を受けるという方は、傾向や必要な単語を知るためにも、必ずこの練習問題を1度は解いておくことをおすすめします。

inburgeringsexamenの練習問題は、下記から確認できます。
↓           ↓         ↓
https://www.inburgeren.nl/examen-doen/oefenen.jsp

合否結果について

結果は、オンラインと手紙で確認することができます。合否のみを早く知りたい!という方は、先ほど試験の申し込みをしたサイトからオンラインで確認ができ、手紙よりも早く結果を知ることができます。

ただ、送られてくる結果の手紙には合否だけでなく、試験のスコアも書かれているのですが、このスコアはオンラインでは確認できません。ちなみに、公式HPには、結果については8週間以内に手紙でお知らせしますと記載されていますが、大抵8週間も待たずに届きます。私は、今までの試験の結果は、だいたい10日~3週間ぐらいで結果の手紙が届いていました。


今後の目標について

オランダに来たばかりの時は、オランダ語も分からない、仕事もない、友人もいないすべてがゼロからのスタートでした。そんな中で、言葉が分からずもどかしい気持ちを感じたことも、うまくいかなくてストレスを感じた時も正直何度もありました。

でも今は、一緒に笑って悩みも話せる大好きな友人もできたし、仕事も見つかったし、目標のひとつであったinburgeringsexamen(市民化テスト)にも合格できました。とは言っても・・・オランダ語力はネイティブの人と話していると、まだまだだなぁ・・・と痛感することも多く、悔しさと共にやる気がムクムクとわいても来ます。

今後の目標は、オランダ語の勉強を続けてStaatsexamen NT2の合格と、転職(通勤が遠いので)です!


関連記事:【オランダ語】オランダ語の試験てどんなのがあるの?試験の種類と内容を紹介します

1 件のコメント:

  1. いきなりのコメント失礼します!
    この度、オランダに移住することになり右も左もわからずmomoさんの丁寧なブログ大変ありがたく参考にさせて頂いております!
    昨日やっと翻訳の依頼を大使館でお願いしてきたばかりでまだまだですが、これからもこちら拝見させていただきます。
    Chieri

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